不動産投資は、「安定した収益が得られる」「インフレに強い」「資産としての価値がある」などのメリットが語られることが多いですが、一方でリスクやデメリットも多く、簡単に成功できるものではありません。私は不動産投資に興味はあるものの、実際には手を出していません。その理由を詳しく解説していきます。
1. 初期投資が大きすぎる
① 多額の自己資金が必要
株式投資やインデックスファンドなら、少額から始めることができますが、不動産投資はまとまった初期資金が必要です。たとえば、
- ワンルームマンション投資 → 1,500万〜3,000万円
- 一棟アパート投資 → 5,000万〜2億円
といった金額が一般的です。
銀行からローンを借りて購入するケースも多いですが、頭金として数百万円~1,000万円程度は必要になります。また、購入後も税金・維持費・修繕費などのコストがかかります。
② レバレッジのリスクが大きい
不動産投資では「ローンを活用してレバレッジをかけることで、少ない自己資金で大きな投資ができる」と言われます。しかし、これは大きなリスクも伴います。
もし空室が続いたり、想定外の修繕費がかかったりすると、ローンの返済が難しくなります。特に金利が上昇した場合は、ローンの負担が急増し、キャッシュフローが悪化する可能性があります。
たとえば、1億円の物件を金利1.5%で借りていた場合、金利が3%に上がると返済額が大幅に増加します。変動金利でローンを組んでいた場合、金利上昇が直撃し、利益どころか赤字になる可能性もあります。
2. 流動性が低い
① 売却に時間がかかる
株式や暗号資産は、市場が開いていればすぐに売却できますが、不動産はそうはいきません。売却には数ヶ月〜1年以上かかることもあります。
- 市場の状況が悪いと、売りたくても売れない
- すぐに売りたい場合は、価格を大幅に下げる必要がある
- 売却時には仲介手数料・登記費用・税金などのコストがかかる
たとえば、購入価格3,000万円の物件を売却するとき、
✅ 仲介手数料(3%+6万円)= 約100万円
✅ 登記費用・抵当権抹消費用 = 約10万〜30万円
✅ 譲渡所得税(売却益が出た場合) = 20%以上
このように、売却時のコストも無視できません。
② 不況時に価格が大きく下落
不動産は「不況時でも安定している」と言われることがありますが、バブル崩壊やリーマンショックでは大幅に下落しました。
日本の不動産市場は、1990年代のバブル崩壊で地価が半減し、多くの投資家が損失を出しました。2008年のリーマンショックでも、不動産価格は大きく下落し、ローンの返済ができずに破綻した人も多かったのです。
3. 維持管理が大変
① 空室リスク
不動産投資の収益は、「入居者が家賃を払い続ける」ことで成り立っています。しかし、空室が続くと収益ゼロになります。
特に以下のケースでは、空室が発生しやすくなります。
- 人口減少エリア(地方の物件など)
- 築年数が古く、設備が老朽化している物件
- 周辺に競争力のある新築物件が増えた場合
また、入居者が家賃を払わないリスクもあります。裁判を起こして強制退去させることは可能ですが、時間もお金もかかります。
② 修繕費や管理費がかかる
不動産は時間とともに劣化するため、定期的に修繕費が必要になります。
- 外壁塗装や屋根修理 → 数十万円〜数百万円
- 水回りのリフォーム → 数十万円
- 設備(エアコン、給湯器など)の交換 → 数十万円
また、管理会社への手数料(家賃の5〜10%)や固定資産税、火災保険などのコストもかかります。
4. 法規制や税制のリスク
① 政府の政策変更
不動産市場は政府の政策に大きく左右されます。たとえば、
- 住宅ローン控除や減税措置の変更
- 固定資産税の増税
- 不動産関連の規制強化
これらが変わると、不動産投資の収益性に大きな影響を与えます。
② 賃貸借契約の法律リスク
日本では「借地借家法」によって、入居者が保護されているため、簡単に退去させることができません。例えば、
- 家賃滞納者でもすぐには強制退去できない(裁判が必要)
- 契約期間中の家賃値上げは難しい
このような法律の制約があるため、オーナー側の自由度は低くなります。
結論:不動産投資はリスクが大きすぎる
不動産投資には、確かにメリットもありますが、
- 初期投資が大きく、ローンリスクが高い
- 流動性が低く、売却しにくい
- 空室リスクや修繕費などの維持コストがかかる
- 法規制や税制の変更リスクがある
こうした点を考えると、私は不動産投資に手を出すべきではないと考えています。特に、本業がある会社員にとって、不動産投資は管理やリスク負担が大きすぎるため、資産運用としては不向きです。
私はインデックスファンドや暗号資産への投資の方が、流動性も高く、管理の手間もかからないため、そちらを優先しています。
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